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電子メールは、個人を特定できる双方向のコミュニケーションを提供するように設計されていますが、必ずしもそうである必要はありません。この記事では、電子メールを匿名で送受信する方法を紹介します。
匿名の電話のように、匿名の電子メールは、犯罪、汚職、虐待、詐欺、セクシャルハラスメント、その他の法律違反に対抗するために不可欠なものです。しかし、内部告発者は通常、正義のために戦うといっても、そうすることで自らを危険にさらすことになります。告発者は、解雇されたり、ブラックリストに載せられたり、いじめを受けたり、さらには法的措置をとられたりする可能性があります。したがって、匿名性は身を守ることにつながります。
ジャーナリストは、自分たちの秘密を明かされたくない強力な機関、企業、政府によって、しばしば監視され、標的にされることがあります。匿名の電子メールは、報復のリスクを軽減しながら、ジャーナリストが情報源と連絡を取り合い、見つけた情報を伝えるために必要な援護射撃となります。
一部の企業やスパム業者は、ウェブサイトや掲示板、メーリングリストなどから一般に公開されているメールアドレスを収集し、大量のメールマーケティングキャンペーンに利用します。迷惑メールフォルダがいっぱいになるのを防ぐために、使い捨ての匿名メールアドレスを使用することをおすすめします。
個人の電子メールで他のプラットフォームにログインすると、大手IT企業に自分に関する多くの貴重なデータを提供することになります。GoogleやFacebookのような企業は、これらの情報を収集した後、第三者と共有したり、ターゲット広告を提供するためにそのデータを自ら使用したりします。どの企業も、あなたについてそこまで多くのことを知るべきではありません。
ここからは、一般的に使われるメールサービスまたはプライバシーやセキュリティに特化したメールサービスを使って、匿名でメールを送る方法について紹介します。
匿名でメールを送る最も簡単な方法は、GmailやYahooなどの一般的なメールサービスを使って、新しいメールアカウントを作成することです。アカウントを作成する際には、自分の身元がわかりそうな情報は一切使用しないでください。代わりに、ダミーの名前、生年月日、自宅の住所を選択してください。メールプロバイダーによっては、認証コードを送信するために、実際の電話番号の入力を求められることがあります。電話番号を教えてしまうと、あなたにたどり着く可能性があるので、注意しましょう。
ただし、個人情報を提供しなくても、これらのサービスはIPアドレスを追跡し、あなたの行動に関するデータを収集します。こうした情報は、あなたの身元や居場所を明らかにする可能性があります。また、一般的なメールプロバイダーのほとんどは、これらの情報を法執行機関に提供する義務を負っています。したがって、新しいアカウントに加えて、元のIPアドレスを変更したり隠したりすることができるVPN(仮想プライベートネットワーク)を利用すると良いでしょう。VPNとは、データをやりとりする際に安全性を確保するための仕組みです。
使い捨てメールアカウントは、自分の身元を明かさずに匿名メールを送信・受信することができるものです。通常、一定時間後に有効期限が自動的に削除されるか、あなたにリンクされうるアカウントを作成せずにメッセージを送信することができます。
一時的な「匿名メール送信専用」アカウントだけが必要な場合は、AnonymouseMailを試してみることをおすすめします。ただし、無料のサービスなので、メッセージを送信する前にVPNを利用して実際の場所や身元を隠した方がいいでしょう。
スパムに振り回されないように一時的に「受信専用」の受信箱が必要な場合は、MailinatorやTrashMailなどの匿名メールサービスを利用するといいでしょう。この方法では、実際の電子メールアドレスを教える代わりに、Mailinatorの公開アドレスの1つを提供するか、一定期間後に削除される使い捨てのTrashmailアカウントを提供することができます。
暗号化機能を搭載しているメールサービスは、一般的なメールサービスの機能を提供しながら、メールや受信箱、さらには連絡先リストを暗号化します。これにより、トラフィックを盗み見ている人は、あなたのメールの内容を読むことができません。また、ほとんどの場合、サービスプロバイダーもあなたの情報を見ることができません。このようなメールアカウントは、安全を確保しながら何度も行うコミュニケーションには最適です。
また、プロバイダーによって、匿名での支払い方法や自然にメールが消える機能など、さまざまな機能を提供しています。
匿名の電子メールサービスを利用する場合でも、必ずVPNを使用してください。その理由は以下の通りです。
VPNはログなしポリシーを採用している信頼できるサービスを使用しましょう。さもないと、VPNを使っていてもプライバシーが侵害される可能性があります。無料VPNの中には、あなたのアクティビティを記録したり、それを販売したり、第三者と共有したりするものがあります。NordVPNは厳格なログなしポリシーを採用しているので、いかなる場合でもお客様のデータを追跡・記録することはありません。
オンラインプライバシーの確保はあなたの権利です。最高のVPNでしっかり保護しましょう。
NordVPNを購入上記で紹介したメールサービス以外にも、匿名でメールを送る際に使えるメーラーは多数存在します。その中から厳選して人気の匿名メーラーを4つご紹介します。
ProtonMailは、最も人気のある安全なメールプロバイダーのひとつです。PGP暗号化を使用して、電子メールがあなたのデバイスから離れる前、または保存状態の時に電子メールを暗号化します。また、ProtonMailはゼロ知識ポリシーを採用しており、ProtonMailの従業員であっても、あなたのメッセージを盗み見ることはできません。しかし、残念ながらProtonMailは、メタデータ、ヘッダー、件名は暗号化してくれません。
また、アカウントを作成する際に、個人を特定できる情報を入力する必要はありません。ただし、パスワードを忘れてしまった場合に備えて、リカバリーメールをリンクするオプションがあります。また、期間を決めて、自然にメッセージが消滅するように設定することもできます。
無料アカウントでは、500MBのストレージを利用でき、1日に150通のメッセージを送信できます。より多くのストレージと追加機能を希望する場合は、有料のサービスを選ぶことができます。ただし、ProtonMailでは、アカウントの作成や確認のためのSMSメッセージ用に、電話番号の入力を求められることがあります。これはほとんどのユーザーには関係ないかもしれませんが、人によっては、電話番号を必要としないフリーメールの方が安全な選択肢となるかもしれません。
Tutanotaもまた、オンラインセキュリティやプライバシーの専門家の間で人気の高いサービスです。Tutanotaは独自の暗号化規格を用いて、メールの件名や連絡先リストを含む受信箱全体を暗号化します。このサービスではユーザー間のエンド・ツー・エンドの暗号化を提供しますが、ユーザー以外の人にも暗号化されたメッセージを送ることができ、受信側は復号化のためのパスワードさえ持っていればメッセージを受け取れます。
アカウント作成時に個人情報を入力する必要はなく、無料プランでも1GBのストレージをたっぷりと利用することができます。また、TutanotaはメールからIPアドレスを削除するので、たとえ誰かがトラフィックを盗み見たとしても、あなたを特定することはできません。Tutanotaのソフトウェアはオープンソースであるため、誰でもそのコードを調べて安全性を確認することができます。
Secure Emailは、強力な4096ビットの鍵でメールを暗号化し、さらにSSL暗号を使用して送信中のメールを誰にも盗み見られないようにする、優秀な匿名メーラーです。Secure Emailのアカウントを作成する際には、個人情報を共有する必要はありません。
Secure Emailは、米国のPRISM監視プログラムに協力しておらず、プライバシーポリシーを非常にオープンにしています。IPアドレスは記録されないので、お客様の個人を特定できるような情報は一切持たず、政府や悪意のある第三者に情報を渡すこともありません。
Guerilla Mailも、優れた暗号化メールプロバイダーで、10年以上もの間、匿名でメールの送受信ができる無料の使い捨てメールアドレスをユーザーに提供しています。独自の電子メールアドレスを作成したり、スクランブルアドレス機能を使ってランダムなアドレスを作成したりすることも可能です。
アカウントの作成に個人情報は必要ありませんが、それでも第三者があなたを特定するのが心配な場合は、Guerilla Mailではアカウントなしで匿名のメッセージを送信することができます。もうひとつの優れた機能は、受信したメッセージが1時間のみしか保存されない「セルフタイミングメッセージ」で、この機能により保護がより強化されます。
上記では、匿名で利用できるメールプロバイダーを紹介しました。ここからは、メールを送る際、さらにプライバシーを強化するためにできることをいくつかご紹介します。